中を割る 

前回、石の取り方について書きましたがその続きです。

オセロは、自分が上手い手を打って相手を追いつめて勝つゲーム、
というよりは自分は無難な手を打って相手のミスを待つゲームだ、
という感覚を今の自分は持っています。
(ただボクがもっと経験を積んでいけば、この感覚は今後変わっていくのかもしれませんが…)
では、無難な手とはどういう手なのでしょうか?
一概には言えないとは思うのですが、
序盤中盤では相手の打てる箇所を増やさない手だと思います。
(終盤はまた違ってくると思います)
それが基本的には序盤中盤、石を多く取りすぎない
という事につながってくるのは前回に書いた通りです。
で、少なく取っていればそれでいいのか?というと、そうでもないという事も
前回書きましたが、今回はその辺をもう少し詳しく書いてみようと思います。

序盤少なく取る事は知ってるけど、何故かたくさん取らされてしまって
負けてしまって困っているという人は一度読んでみて下さい。

棋譜を二つ並べてみました。黒番です。
真ん中のボタンを一つ押して、一手進めてみてください。
両方とも同じ局面で、同じく一石だけ返していますね。
自分が対戦者の白だとして、打たれて嫌な手はどちらの手でしょうか?
おそらく左側の手だと思うのです。
何故なら、左側は黒が打った後も白の打てる場所はほとんど増えていないのに対して
右側だと、結構打てる場所が増えてる感じがするからだと思うのです。

もう少し詳しく考えてみましょう。
左側の場面で白から黒に変わった石はD4。右側はD6ですね。
右側でD6が白から黒に変わったことにより、
相手の白は新たにD7とE7を打てるようになりました。
一方左側で黒に変わったD4は既に周りを他の石に囲まれていますので
白は直接D4を返すことが出来ません。
つまり、一石黒に変わったのに打てる手は増えていないのです。

この左側の手のように、周りが他の石に囲まれている石を返すことを
『中割り』といいます。
個人的にはオセロで一番基本的かつ重要な手筋であると思っています。
何故なら、他の手筋に比べて打つ場面がかなり多いからです。
もちろん例外もありますが、
中割りは上で述べた『無難な手』である可能性が相当高いのです。
中割は一石だけ返すとは限りません。二つ以上返したとしても
その返った石が周りに囲まれていれば、相手の打つ場所は増えないのです。
中割りを繰り返し打つことにより、自然と相手の打てる場所は少なくなり
逆に自分の打てる場所が増えていくので、有利に試合を運べるはずです。


中割りという言葉を今回初めて知ったという方は
オセロの上手な人の試合を一度観戦してみて下さい。
必ず何度か中割りを打っていると思います。
そういう時は『今、中割りを打ったな』と心の中で確認しましょう。
同じ観戦するのでも、今までとは見方が変わってくると思います。
そして、実戦で自分で打ってみましょう。
最初は中割りの場所を見つけるのはなかなか難しいのですが
これは慣れだけの問題で、練習すればすぐに見つけることが出来ます。
下に中割の例を貼っておきますので、自分で見つけたあと棋譜を一つ進めてください。
全て黒番です。

棋譜:中割り